ブラウザを変えると,時の流れも変わる。停滞し続けた「加速する時」が動き出す。凛として。
AOL社は同社のもうひとつのオンラインサービスであるコンピュサーブのデフォルトブラウザに,インターネット・エクスプローラーではなくネットスケープを採用した。親会社のAOLタイムワーナーがマイクロソフト社を提訴しており,対決姿勢が強まっている。主力サービスのアメリカ・オンラインでもネットスケープ採用の動きがみられる。
遅いと評判のOS Xブラウザで(^_^; WIRED NEWSの記事),モジラもそれほど速くはない。というか遅い。私のブラウザ使用割合は,iCab:オムニウェブ:IE:モジラ=7:1:1:1という感じ。基本的にはiCabで表示できないサイトは見ないが,サイトの確認のためのに他のブラウザも使う。それはネットワークでの礼儀だと,勝手に思い込んでいる。とはいうものの,自分の手元にないプラットフォームなどは確認しようがないので,その点でゲッコーはありがたい。狭いプラットフォームで最速のブラウザよりも,それなりのスピードで広くプラットフォームをカバーする方が尊敬できる。まぁ意固地な意見だけど。
あの時のネットスケープと今のネットスケープはまったく別物だ。同じコードは残っていないだろう。でも,モジラを開くとき,ネットスケープ・タイムは再び流れ出す。感傷かもしれないけれど,あの日の光が差し込む。ネットスケープ・タイムの下では,陽は1日に7度昇り,7度沈む。人は1日に7日生きられることを知る。1晩も寝てしまったら何日が過ぎ去ってしまうことだろう。時を刻めるブラウザの歩みを,まだ待ち続けたい。
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